事務所に寄せていただくご相談はいろいろですが、どの方の内容も全く同じというものはなく、ひとつひとつじっくりお話をうかがわないと、その方が本当に望んでおられることは何かということに気づくことはできません。
これは事務所内でのことなのでお恥ずかしいことですが、先日、私の不在時に、スタッフが、相続のご相談の連絡をいただき、何の書類があればいいかなということで、いわゆる相続登記に必要な書類をご案内したのです。
相続手続きに必要な書類は、一般的には正しいのですが、それを集めなければお話をうかがわないわけではなく、
むしろ、集める前に、その方が本当に望んでおられることは何かということを理解することが必要です。
もしかしたら全然相続手続きじゃないかもしれませんし、そもそも司法書士に頼むような話ではないかもしれないからです。
また、仮に相続手続きだと言っても、どういう種類の相続なのか、いつの時代の相続なのか、相続人は誰なのか、単に登記だけなのか他の前提手続き(裁判など)が必要なのか、相続手続きができるような状況なのか、どんな方法で相続手続きをするのか、書類は何通くらい必要なのか、まったく、まーったくわからないことばかりなのです。
私自身もまだまだ未完成ではありますが、スタッフにも、この仕事(全ての仕事に共通することでしょうが)は、目に見えているだけのものがすべてではない、お客様の背景やお客様の本当の気持ちに思いを馳せる必要があるということを、どうしてもわかってもらいたいと感じています。
スタッフも毎日がんばって、並行するたくさんの事務をこなして、私を助けてくれており、感謝しています。
しかし、スタッフが見るべき相手は、私ではなく、あくまでもお客様であり、私たちがやっているすべてのこと(事務所を綺麗にたもったり、いい空気をかもしたり、正しい言葉使いと態度で元気に応対したり、お待たせしないよう心掛けたり、丁寧にお手紙を書いたり…とにかく仕事のなかで行うすべてのこと)は、お客様に余計な負担をかけず、お客様に納得して、気持ちよく利用していただけるための心がけの集積であって、心がけを保っていれば、おのずと自分が取るべき態度が見えてくるはずです。
そして、今回の相続書類の案内も、想像力を働かせれば、そのような案内はすべきではないという答えが導かれるはずだと思います。
偉そうに書いていますが、私も本当にまだまだまだまだまだです。
でも、大げさな!と思われるかもしれませんが、私はそれを一番(仕事の知識はあたりまえ)と言ってもいいくらい大事にしたい。
なかなかできませんが、うちを使ってくださった方々が感動するレベルまで、ホスピタリティを表現できたらいいなあと思っているので、スタッフも大変だろうと思うけど、共有してほしい思いであります。
今日はまじめに。
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