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2013年1月30日 (水)

遺留分の事前放棄

今日は一日書類作りで悶々としました。

悶々していると飽きるので、とちゅう、先日電話でちょっと問合せのあった「遺留分減殺の事前放棄」というのを調べてみたり。

飽きてやることがこれか!という感じですが、依頼されたわけではないと、けっこう楽しく調べることができるもの。

私は、まだこの「遺留分の事前放棄」の申立てに関与したことはないので、調べるまでは、けっこう認容されるのって難しいんじゃないかと思ってたりしてたわけですが。

ちょっと古いデータだけど、遺留分関係のバイブル『遺留分の法律と実務』によれば、平成11年度の「遺留分の事前放棄」の、家裁への申立件数は1305件で、認容されたのは1152件ということで、意外に認容が多かったです。へー。

そもそも、「遺留分権」が定められた趣旨が、法定相続人の潜在的な持分権と、法定相続人の生活保障というテーマでもって、相続人を保護しましょうというものですね。

んで、「遺留分の事前放棄」は、その大事な権利を、事前に(ある人が亡くなる前に)放棄するっていう行為ですから、それをするには何らか理由があるでしょうし、何もわからなくて大事な権利を放棄してしまってはいけないから、ちゃんと家裁に申し立てて許可をもらいましょうというものです。

だから、その遺留分制度の原則の例外を認めるのですから、けっこうハードル高いと思っていたのです。

ただ、審判例によれば、(推定)遺留分権者の自由意思に基づかないと判断されてしまうと、却下されていますね。(あたりまえか)

なお、遺留分の事前放棄が家裁で正式に認められた後、「やっぱり事前放棄やめます」というのは、厳しいケースもあるっぽいです。

家事審判例によれば、たとえば(推定)遺留分権者が、遺留分権者とはならないことがはっきりするケース(養子縁組してたけど離縁したとか)は、取消も認められているけど、負債相続があるかもしれないから遺留分も放棄してたけど、その心配がなくなったからやっぱり遺留分は請求したいです!とかいうのは却下されてます。

いずれにせよ、「遺留分の事前放棄」、先のことまでよくよく検討されて、申立てをされたほうがよいようです

今日はまじめに。


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