ちょっといい話
日経新聞LOVE。
活字大好きですけど、なかなか仕事に関係ない本は読まなくなりました。乱読派ではなく、どちらかというと、書評などを見てからよさげなものを探して読みたいのですが、書評でよさそーと思ってても、本屋に行くと忘れてる(老…い…?やめてーーー…)。
そんな私に、強制的に届けられる日経新聞はとてもありがたい活字の束です。
特に夕刊は、事実ネタだけでなく読み物も多いのでなごみます。
今日の夕刊の梯久美子さんという方のエッセイは、短編ですが、ドラマのようで素敵でございました。
お父さんとイスタンブールに旅をして、そこで初めて気づく父の一面。
まとわりついてきた猫を抱き上げて「おれは子供の頃、いつも猫と寝ていたんだ」と父は言い。そういえば小さい頃にお母さんを亡くした父。猫を抱いて眠る父の子供の頃を想像したり。
空港のロビーで近づいてきた若い男。梯さんは寄付狙いの男と思っていたのだけれど、父は、吸っていたたばこを消して、姿勢を正して向き合って。
後で聞けば、空港の使い勝手についてのアンケートだった、と。
梯さんは「私だったら、用件を聞く前に追い払ったろう。見知らぬ男に、礼儀正しくタバコを消して向き合った姿に、旅慣れたつもりで、いつのまにか嫌な奴になっていたかもしれない自分を反省した」と書かれておられました。
人というのは、一面や、その瞬間を見ただけでは、ほんとのところはわからない。
自分の思い込みや一方的なもののみかたを反省した、好きなエッセイでした。
梯久美子さんはノンフィクション作家だそうです。ブログに書いたくらいですので、きっと忘れずに本屋で探せると思われます。
« いっぱいしゃべれない | トップページ | 怪奇!足が!! »
コメント