ポジティブに 忘れてみよう トラブルを
ご相談を受けていて、(勝ち負けでいうところの)難しい案件に遭遇したとき、どう調べてもこちらに都合のいい判例が出てこないとき、証拠が少なすぎるとき、証拠保全のしようもないとき…そんなときでもなお「これは私の知識不足だから難しいと思うのかもしれない…」というふうに考えて、なんとかなるさで受けてみなきゃいけないときなのか?という瞬間がありまして。
調査するに際してやり方のわからないところがあったので、先輩にそのことも含めて相談した際、「仮に示談や訴訟等を起こしても、諸般の事情で困難もしくは精神的ストレスが増えると考えられるケースは、相談者に対して選択肢の提供をするときに“諦める”という方法もあることを伝えたほうがいいと思います」といったニュアンスのアドバイスをいただきました。
相談者のために何が一番いいのか、怒りのピークに達している方をエンパワーメントすることが、ベストな方法であるとは言えないということです。
今朝、もういちど電話をしてそのことを伝えたら、その方もいろいろと考えてあったみたいで、結局この件はご本人様のなかで折り合いをつけられたようでした。
トラブルの原因が解決したなら、過去のいざこざは忘れて、ポジティブシンキングで前に進むことをお勧めするのも、法律家の役割なのかはわかりませんが、ま、そういうやり方が良い時もあるとですたい。
熊本 和美 様
突然のメール、大変失礼いたします。
そして、お忙しいところ大変申し訳ありません。
私は○○在住の○○と申します。
私は司法書士試験を取得し、開業したいと
思っているのですが、恥ずかしながら、
司法書士の実態・現状を全く知らないので、
ご相談させていただきたくメールしました。
現職は1級建築士の仕事をしています。
ですが、建築業界だけでは先行き不安な部分もあり
司法書士とのダブル資格で独立・開業できないかと
本気で考えています。
しかしながら、法律とは全くの無縁で、
1971年生まれの私が、今から勉強してできるものなのか、
到底無理で無謀なな夢なのか、もしよろしければ
ご意見いただきたく思います。
インターネットなどで司法書士の求人を検索してみましても
30~35歳までなど、年齢制限が厳しいように思いました。
そんなに年齢が関係してくる仕事なのでしょうか?
あと、1級建築士を持っているということは
司法書士で働くにあたって、強みにはなりますか?
申し訳ありませんが、もう少し司法書士の仕事について、
掘り下げて質問させて下さい。
・司法書士の仕事で嬉しかったことは何でしょうか?
・収入、休みなどは満足してらっしゃいますか?
・割に合わないなぁとと感じることはありますか?
・司法書士は将来有望な仕事だと思われますか?
突然ながら、大変不躾な質問で申し訳ありません。
悩める無知な私にぜひとも、ご意見を・・・
宜しくお願いいたします。
投稿: | 2007年8月13日 (月) 17時29分
こんにちは。2回アップしたけどなぜか消えるこのコメントです。遅くなりまして申し訳ありません。
さて、いろいろと悩まれているようですので私なりに回答します。
まず司法書士試験の勉強には年齢は関係ありません。私も生まれはあなたより●★▽$ですし、同期さんや先輩でも○○さんより上の年齢から勉強開始した人も多いですよ。この試験は初学者であれば、ある一定の期間死ぬほど勉強して、さらにテンションを下げずに継続して頑張ればよいという試験です。ただ、範囲が広いので、できれば予備校の力を借りるほうが効率的かと個人的には思います。
あと、仕事については、全く年齢のハンデは無いと思います。むしろある程度キャリアを重ねた年齢のほうが仕事はしやすいと思います。ある意味「信頼できそう」という印象がとても大事な要素を持つ仕事だと思うので。
就職については正直求人も少ないですし、給与体系もあまり良好とはいえません。もちろんいいところもあると思いますが、若い方が有利でしょう。しかし、将来独立をお考えであれば就職が少ないことはさほど問題ではありません。合格すると福岡県司法書士会では配属研修という制度があり、実際の事務所に入って実務を見ることができるというもので、この期間で仕事がわかるということは正直ないのですが、将来聞きやすい先輩を見つけたりすることができます。私もこの研修でO川さんという素晴らしい先輩と知り合えて、ほんといろいろ教えてもらってます♪(誉めたよ!O川さん~)配属研修終わる頃にはみんななんらか進路が決まっているようですので、その辺もなんとかなるでしょう。何とかならなければ独立もありでしょう。
ダブルライセンスの強みについては、ご自身のアイデアや努力次第で相乗効果もあるでしょうが、それはその人次第だと思います。
その他の質問について。
司法書士の仕事で嬉しかったこと。仕事がうまくいけばものすごく嬉しいですし、うまくいかなければむちゃくちゃ落ち込みます。
収入休みともに満足していません。収入は1年目にしてやるべきお仕事をいただけているだけで感謝という感じです。休みは、これは個人の性格によるでしょうが私はだらだらやってるので休みもだらだら出てきてますが、メリハリつく人はきっとそんなことはしないので心配する必要は無いと思います。
割りに合うか。正直こんなに神経を使う仕事とは思っていませんでしたので小心者の私にはかなりの重圧を感じつつ日々過ごしています。毎日夜ぐったりです。その割に周りとしては「登記楽だよね」的な見解があります。むっちゃ怖いっちゅーねん!登記以外も気はすごーく使いますよ、ほんと。しかし、それも人によります。私は極端にプレッシャーに弱い人間なんです。
将来有望な資格か。そんなことはわかりません。
なんかクールコメントでごめんなさい。思いますのは、司法書士になりたいかなりたくないかで、この資格を取るまで頑張れるか、将来有望かどうか、ダブルライセンスが強みになるかどうかも違ってくると思うのです。
司法書士という国家資格はなくなるかもしれません。だから有望な資格がよければ、もっと希少価値の高い仕事という目で選んだほうがよいかもです。これからは弁護士さんも増えるしですね。
毎日反省と後悔にさいなまれ、数日にいっぺんは「ほんと向いてない…」などと思いながらやってるこの仕事ですが、それでも司法書士というこの仕事、奥が深いしボケ防止にはいいかもと思いますし、私は今のところ嫌いではありません。あまり目立たない感じも控えめで可愛いなーと。
人生悩みばっかりっすね。私も毎日悩み死にしそうですが、共にがんばっていきませう~。
投稿: 司法書士 熊本和美 | 2007年8月16日 (木) 23時03分
熊本 和美様
お世話になりました。本当に無知で愚問に、分かりやすく親身になって、コメントしていただきましてありがとうございました。
やはり、私の気持ちとして「司法書士になりたいかなりたくないか」ということがまず第一ですね。よ~く自問自答して考えてみます。
ちなみに熊本様はなぜ司法書士になりたかったのですか?
すみません、また質問してしまいました。
お忙しくないときに教えてください。
投稿: | 2007年8月17日 (金) 09時13分
司法書士を希望したのは。
6年前に会社員を辞めた後、次はのんびり仕事をしたいわとか思っていましたが、のんびりした仕事なんて私のような事務経験もない30アッパーの女には与えられないのだということに1週間で気づきまして、すぐに資格取得の必要性を感じ、何とか短い期間で取得できそうでしかもそれなりに取るのが難しそうででも数学関係のないものという消去法の結果この資格に行き着きました。結局3年かかりましたので、目論見は外しています。
資格とって実際に仕事するまで「司法書士」がどんな仕事をしているのか知りませんでしたし、しかも受験勉強中は仕事に対する興味も全然ありませんでした。ただ資格取りたいだけ。我ながらなんなんでしょうね。考えたほうがいいなどと人には言っといて自分はこの有様です。
いきおいとタイミング、それもまた善き哉。
あ、今回あなた様のお名前は消して、コメントは残させていただきました。受験生なども興味のある質問と思いましたので。不都合あればお知らせ下さい。ではでは。
投稿: 司法書士 熊本和美 | 2007年8月21日 (火) 20時21分
熊本 和美様
コメント初心者の私にやさしく対処していただき、大変大変感謝しております、ありがとうございました。自分自身への励みにもなりますのでコメントはこのままで宜しくお願いいたします。(^^;
そして、お忙しいところ、本当にありがとうございました。本物の司法書士さんからお話がいただけて、とてもとても参考になりました。
「いきおいとタイミング」を見計らいながら、力まず前に進んでみようと思います。ありがとうございました。
投稿: | 2007年8月21日 (火) 22時45分