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2006年12月13日 (水)

ホワイトカラー・エグゼンプション2

下のブログがローテンションだったため、今日は気合を入れ直してもう一本アップじゃ。

 厚労省のホワイトカラー・エグゼンプション導入への動きに対して、過労死した人の遺族の方たちの団体が、「同制度導入は長時間労働を招き、過労死が増加する」として、導入断念を申し入れたそうです。

 ホワイトカラー・エグゼンプションについては、12月8日のブログでも書きましたが、現状存在する労働時間に関する規制(保護)について、ホワイトカラー(管理業務者・専門的業務者・自律的義務業種者)はエグゼンプト(除外する)というものです。

 今回、日本がこの制度を導入する目的は「労働時間規制を外して、自由に働けるようにすることで、能力がより発揮されたり、自己実現が図れたりするはず」ということであって、決して、過労死を増加させたりすると言ってはいないわけです。

 実際、この制度導入が吉と出るか凶と出るかはいろいろな議論があるようです。日経新聞も昨日今日と2日にわたって、この制度に関する小論文が出されています。

 ただ、いわゆる「長時間労働・残業しがち・終身雇用」体質の濃い日本の労働環境からいくと、この制度導入は、対象となるホワイトカラー労働者(年収規制が低い場合には特に)にとっては、あまりラッキーなことはないかもしれません。

 その論文に書いてありましたけど、日本のホワイトカラー従事者には、既に導入されているアメリカのように業務内容が明らかでもないし職務の選択権もない、転職もままならないといったように、自立的に働くための前提条件が不安定です。だから結局、長時間労働を避けるカードを労働者側が持たないので、範囲のあいまいな業務をこなすには、長時間労働もやむをえず…ということになりはしませんか、という懸念があるわけです。

 かといって、労働者の規制(保護)は過剰になると、労働者の新規参入が難しくなってしまって雇用が増加しないという側面もあります。

 労働の問題というのは、ほんとにいろんな要素がからみあっていて、あちらを立てればこちらが立たずといった感じなのです。

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