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2006年12月 8日 (金)

労働法2(ホワイトカラー・エグゼンプション)

 昨日の続き。労働に関するいくつかの法律を改正して、労働者の法的保護を撤廃し、その結果企業の競争力が高まった結果、景気回復と好景気持続を維持しているjapan。

 そして今後もいくつかの改正を予定しています。そのひとつが、日本版ホワイトカラーエグゼンプションです。

 労働基準法には、1日8時間労働・週40時間労働と定めてありますが、これまでも、特に専門性の高い業種や、いわゆる企業内のマネジメントを行うような立場の人に対しては「裁量労働」といって、やらなければならない仕事を与えて、それに何時間かけろうがorかかろうが労基法所定の労働時間に拘束されない、すなわち労働時間の「規制」(=保護)の対象外としていました。

 2008年の法案提出を予定しているこの「ホワイトカラー…」は、この規制対象外とする範囲を、ホワイトカラー従事者の一定年収取得者すべてに広げるというものです。

 だからいったいなんなのだ?てな感じですけど、これは結局「自分の仕事ならば、時間の長短にかかわらずちゃんとやり遂げてよね。ただし時間がかかったとしても残業代は支払わなくていいよね」ということであって、こうすることによって、被雇用者は残業代ナシで働かなくてはならないので、企業の利益は上がっちゃうという仕組みです。

 この一定年収の下限を「年収400万円以上」とする厚労省の素案だったようですが、そうなるとかなりの数の人が当てはまってしまうので、現在、その上限をあげる方向で検討中だそうです。また、ホワイトカラーの人達が残業手当もつかずに働くもんだから、パートの人達の働き場が減って、さらに失業率が高まるのでは?という懸念もあるようです。結局、ニッポンの人達は、家族を含めると膨大な割合が労働者なので、このような「風邪がふけば桶屋が」的悪循環が日本国中を襲うことになるわけです。

 他にも、企業の力を高めるための、労働者に風当たりの強いと思われる改正が今後予定されています。

 今回、労働関連の法律に触れ、一見、労働業界内部的は法律と思っていたけど、実はそこだけではなく、ニッポンの社会構造を変えるほどの力を持っているんだなと、恐ろしくなりましたバイ。

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