入学金と消費者契約法
本命大学の前に、第2候補の大学に合格した場合、本命大学の結果発表の前にその第2候補大学の入学金納入締切日がきてしまうというのは、私の頃にもありましたわね。んで、結局、本命大学に合格して、そっちに行くことにしても、もう納めた別大学の入学金は還ってこないといふ…いやはや。
んで昨日、とうとう最高裁が「そんな不当な契約があったとしても消費者契約法に照らせば無効じゃ!」ということで、大学側に返還を認める判決を初めて出したそうです。おおお。
消費者契約法というのは、「業者と消費者との取引のなかには、事業者と消費者の情報力にすっごい差があって、事業者優位に契約を結ばざるを得ないこともあったりしますが、そういうのをなくしていきましょうね」という趣旨のもので、そういった趣旨に反する契約があれば無効にします!という条文などを含む、平成13年4月に施行された法律です。私も相談でよく受けるのが「敷金返還問題」、これも消費者契約法に照らして判断されることの多い問題です。
今回はこの消費者契約法に照らした判断です。消費者としては万々歳の判決ですね。でもちょっと思うんですけど、裁判所も最近はかなり消費者寄り、というか、損害賠償でいう「損害」の解釈を広げているような気がして、そのあたりは私たちも結構敏感になったほうがいいかな、ということです。
私たちは社会的弱者になることもありますが、社会に出て人と交わっていれば、逆の立場になることもあります。これまでの常識だけでやりとりをしていれば、もしかしたらちょっとしたきっかけで「訴えられる」というようなことにならないとも限りません。たとえば、私ら司法書士もそうですね(怖)
昨日のブログにも書きましたが、アメリカの「訴訟大国からアイムソーリーOK的社会」への転換と比べ、司法制度改革によって、今ごろからアメリカのように「あまねく法律家の存する国ニッポン」を目指しているあたり、これから法を武器に争う時代がやってくるのかもしれません。
訴えられるのはもちろんですが、訴えるという行為も思った以上にストレスです。そういう風になる前に、お互いに迷惑のかからないようなコミュニケーションを充分にはかるほうがラクと思われます。たとえ「消費者契約法」のような法律でも、伝家の宝刀ではないので、訴えたりしない限り、法はお仕事してくれませんから。
私の日ごろの仕事に対する自戒もこめて…アイムソーリー。
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