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2006年9月15日 (金)

村瀬孝生さん

 先週土曜日はリーガルサポートの1日研修でしたが、3コマあったうちの1つ、村瀬孝生さんという方の講義がとても面白かったので報告します。

 村瀬さんは福岡市で「第2宅老所よりあい」を経営しておられる方なのですが、この方の、一般的に認知症と診断されるような人々への接し方・考え方は非常に暖かいものがあります。

 食べる・寝る・排泄するという人間にとって最も基本的かつ重要な行動を、自らの力だけで行うことが難しくなったとき、そこにどういう形で寄り添ってあげるのがよいのかというのを、ご本人の長い経験を交えながらお話ししてくれました。

 エピソードのひとつに、夜中におやつを食べるおばあちゃんの話があって、そのおばあちゃんはその日も夜中の3時に起きてあんぱんを食べるのですが、村瀬さんも横に座って、おばあちゃんが半分くれたあんぱんを食べたそうです。村瀬さんはそのあんぱんを10秒もかからずに食べたんですが、おばあちゃんはそれを、15分もかかってゆっくりゆっくり食べ終えた、という話でした。

 村瀬さんが「これまで食事の時間というと、自立をしてもらいたいために自分で食べてみなさいと言うくせに、30分も経つと、今度はこっちの後片付けが間に合わないからということで、おさじを取り上げて食べさせてしまう。あんぱんを食べる時間にこんなに差があることがわかったとき、お年寄りの時間というのはゆっくりゆっくり流れていることに気づいた。ごはんをせかすことは、お年寄りに流れる時間をわかっていなかったんだと思いました」というふうなことをおっしゃられて、「はーなるほど」と私も感動したわけです。

 ↑たぶん私の説明がへたで「ぜんぜん感動せんけど」と思われた方も多いと思いますので、彼の著書をご紹介しておきます。
「おしっこの放物線」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876721165

 昨日のNHKでも介護現場の方のお話をやっていましたが、村瀬さんのお話でも十分伝わりましたけど、やはり現場は本当に大変らしい。介護認定のありかたや若年世代の介護業務への従事・定着の問題など、課題が山積みのようです。その場には利用者側と、厚生労働省の方もいましたが、そっち側の発言と現場の方の発言にかなり幅があって(というか三者なかなか噛み合わない)、現場の方は非常にもどかしそうでした。

 ほんと毎日自分のことでせいいっぱいとか言ってる場合じゃないですよね~(私のことです)。

 ちなみに、なんで先週の土曜の分を今日書いたかというと、私はこの講義の後、「コレはぜひ敬老の日のネタにとっておこう。ウッフフ…」と思っていました。でも、今日夕方事務所に戻る途中、ふと近所の石村萬盛堂ののぼりを見たら「18日(祝)は敬老の日」って書いてありました。

 あ、15日じゃないの?今週の三連休ってそういうことだったんですね?ウッフフ…

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